随筆・エッセー

2019年、流行語大賞トップ10プラス1を知っておく

2019年も12月になり、師走の忙しさがやってきたこの時期に発表されるのが「流行語大賞」です。

毎年発表されるたびに「これって何?」と思ってしまう言葉がいくつかあります。

一応受賞した言葉は知っておきたいな、ということで一通り網羅してみました。

大賞 ONE TEAM

こちらはつい最近まで盛り上がったので、納得の大賞だと思います。

2019年のラグビーW杯東京大会では、日本が7カ国という多様なメンバーからなるチーム力を発揮して初のベスト8に進むという快挙を達成しました。

その日本代表チームのスローガンが「ONE TEAM」でした。

その他のトップ10

軽減税率

2019年10月1日から消費税の税率が10%になりました。

ただし、特定の商品の消費税率は8%に据え置くというルールが軽減税率です。

その目的は「低所得者への経済的な配慮をする」ということであり、生活必需品である食料品などの税率を比較するというものです。

いろいろな議論がされており、例えばハンバーガーショップや牛丼店などでは、お店で食べるイートインの場合は外食ということで10%となり、持ち帰るテイクアウトの場合は飲食料品を買ったことになり8%になります。

計画運休

今年も台風の被害は甚大でした。

台風の接近に伴って、電鉄各社は列車の運転を順次取りやめる「計画運休」を事前に発表しました。

これにより、翌朝の出勤が難しいこと、台風で危険なことをそれぞれが認識して、自宅に待機するなどの判断がしやすくなりました。

ところが真面目な日本人ですから、台風の中でも無理に出勤しようとするサラリーマンの方々も多く見られ、日本人の働き方を考えるひとつのきっかけにもなりました。

「命を守る行動を」と言った言葉がテレビからよく聞かれるようにもなりました。

スマイリングシンデレラ/しぶこ

今年は女子ゴルフの渋野日向子選手が、海外メジャー大会の全英女子オープンで優勝しました。

いつも笑顔でプレイするあっけらかんとした性格や、モグモグタイムに引けを取らない試合中の食べっぷりが微笑ましく、国民が注目しました。

この精神力の強さは、ボギーを取った次のホールをバーディーで取り返す「バウンスバック率」の圧倒的な高さにも現れていました。

来年もますますの活躍が期待されます。

タピる

タピオカドリンクを飲むことを「タピる」と言います。

タピオカミルクティーの新規出店が東京都内を中心に至るところで行われ、インスタグラムで紹介する「タピリスト」も多く出現しました。

ちなみに私が高校生時代、ウォータークーラーで水を飲みに行くときは「みずる」と略していたので、タピるが流行ったことにも違和感はあまり感じませんw

若者は新しい言葉を作っていくものです。

#KuToo

職場や就職活動で女性がパンプスやヒールのある靴の着用を強制されることに異議を唱える「#KuToo」というハッシュタグのことです。

読み方は「クトゥー」でしょうか。靴(くつ)とかけているのと、昨年流行った「#MeToo」にかけているのが特徴です。

パンプスやヒールがこれまで強要されていたんですね、全く知りませんでした。

おそらく男性も就職活動ではネクタイの着用が強要されていると思います。

クールビズなど流行っていても、夏の就活生はネクタイで首を絞めているのでしょうか。来年は男性側から「#NeckToo(ネクトゥー)」あたりが流行り出すかもしれません。

そもそも足を長く見せたいお洒落な女性や、首回りの装飾品としてお洒落に見せたい男性が、パンプス/ヒール/ネクタイを使うものだと考えて、日常の業務には持ち込まなくてもよい時代が近づきつつあるかと思います。

○○ペイ

キャッシュレス決済の時代がようやく日本にもやってきました。

オリガミペイが先陣を切ったかと思えば、ソフトバンクがその資本力を背景にペイペイの一大キャンペーンを実施し、一気にシェアを拡大しました。その後メルカリがメルペイ、ラインがLINE Payで追随しますが、ここへきてヤフー(ソフトバンク)がラインと合併を発表。一気にペイペイとラインペイが支配しようとしている気がします。

一方でWeWorkがソフトバンクにどんな影響をこれから与えていくのか。。目が離せません。

私たちはこのキャッシュレス決済ブームで使われるキャンペーンをうまくお得に使っていくのがよいですね。

これまでこの分野では中国はじめ欧米にも大きく遅れを取っていた日本が、少なからずその差を縮めることができたのは、よいニュースになったのかと思います。

免許返納

高齢ドライバーによる交通事故が相次ぎました。

池袋での自動車暴走死傷事故では、2名の母子が亡くなるというショッキングな事件であると同時に、当時87才の元通産省の役人が事故を起こしたこともあり、世間の目が注がれました。

そして連日ニュースでは、高齢者の起こす事故が報道され、免許返納を促す動きが加速しました。

確かに、都会では車の免許が必要ない状況がほとんどで、高齢者の免許返納はありだと思います。

ですが地方では違います。

地方では、自動車が日常的な「足」ですので、高齢者が自動車を奪われるとほとんど何もできなくなってしまいます。

とても難しくて悩ましい問題ですが、技術的な解決策でアクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進を防ぐ仕組みや、それを後押しする制度設計が進むことをまず願います。

次に自動運転の技術開発が進めば、事故は大きく減らせるはずですので、研究開発が出来る限りスムーズに進められる行政のサポートと私たち一般市民の理解と協力が重要になってくるのではないでしょうか。

闇営業

吉本興業のタレントが事務所を通さずに直接仕事を受けてしまったこと、さらにその相手が反社会的勢力に関係していたのではないか、という報道があり一気に問題化しました。

さらには論点が変わって吉本興業がブラック企業であるという話題に拡大したのが特徴的でした。

組織があることで、いろいろと芸人の皆さんは動きやすくなるのは確かですし、守られている面もあると思います。

一方で、自分の力でやっていくことができるがどうかは個人の力量が問われる部分ですし、逆に申告漏れなど圧倒的なだらし無さを発揮してしまうと、逆に法的に罰せられるリスクもあります。

まずは組織に属している以上、ルールには従うのがセオリーですね。

令和

2019年4月30日で平成の世が終わり、5月1日から新しい令和の時代が始まりました。

菅官房長官の発表直後は違和感を感じても、次第に令和に馴染んでいったのではないでしょうか。

この令和元年を通じて個人的に感じたのは、皇后雅子様がこれまでの色々大変な時期を乗り越えて、何か吹っ切れられたように思います。

元外務省キャリアの実力が、これから海外の王族や政治家たちとの交流の中で発揮されると思うとなんだかワクワクします。

そして平成の時代を支えてくださった明仁上皇、美智子上皇后には本当にお疲れさまでしたといいたいです(表現正しいか分かりませんが)。ゆっくり休んで頂いて、もう少し「普通の」生活を楽しんで、海外旅行とか、インターネット通販とか、ドライブとか、自由に過ごして頂きたいと思っています。

選考委員特別賞「後悔などあろうはずがありません」

イチローが今年3月の引退会見で発した言葉です。

一つの道をやりきった男が言うからこそかっこいいセリフですね。

イチロー選手の大リーグでの活躍はもう見られませんが、その生き方はとても素朴で正直で実直なものだと思います。人間国宝といった日本の職人さんと同じ空気を感じます。

大リーグと同じく米国では、NBAで八村塁選手が活躍し始め、新しい令和の時代に相応しい幕開けが、ラグビー、野球、ゴルフ、バスケットボールなどいろいろなスポーツを中心に感じられる一年だったように思いますが、皆さんはどう感じられたでしょうか。

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