スペイン・マドリードで行われているCOP25で小泉環境大臣の発言がニュースでたびたび報道されています。
環境省のCOP25のウェブサイトでも、昨日12月11日の小泉大臣ステートメントがPDFで公開されています。
先日のセクシー発言に続いて、12月11日の演説では石炭火力発言への対策がないといった発言に対して多少批判されているようにも見えますが、
個人的には、セクシー発言などきちんと英語でできるような政治家がいない中で、なぜそこまでテレビ番組が批判するのか分かりませんし、
原子力を簡単に使うことが許されない状況にある日本のエネルギー事情の中で、火力発電への依存を続けざるを得ない(減らしつつも)ことも確かだと思っています。
来年2020年はパリ協定が本格実施され、かつ東京オリンピックもあるので、日本が環境国家として世界中の注目を集めるのは必至です。
そんな中、COP25のCOPとは何なのか、COP25とはどういった会議で、どういう頻度で、どんな人が集まるのか、基本的なことを知っておこうと思います。
COPとは
COPとは、Conference of the Partiesの略で、気候変動枠組条約の締約国会議という意味になります。
では、気候変動枠組条約とは、何なのでしょうか。
気候変動枠組条約とは
正式には「気候変動に関する国際連合枠組条約」であり、
英語では「United Nations Framework Convention on Climate Change」
英語省略名称は「UNFCCC」です。
目的は、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、将来の気候を保護することです。
もう少し長めの文章を引用すると、
気候変動に関する国際連合枠組条約の目的は、大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素[亜酸化窒素:N2O]など、HFCs、PFCs、SF6)の増加が地球を温暖化し、自然の生態系などに悪影響を及ぼすおそれがあることを、人類共通の関心事であると確認し、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在および将来の気候を保護することである。
引用:Wikipedia「気候変動枠組条約」より
となっています。
つまり「温室効果ガスによって地球温暖化が進むと将来人間が暮らせなくなるかもしれないから、地球みんなで対策を考えていく」というのが目的だと思います。
そんな気候変動枠組条約の締約国が集まる会議がCOPということですね。
では締約国とは何か国あるのでしょうか?
締約国の分類
2017年10月時点で197か国とあります(Wikipediaより)
「外務省の気候変動に関する国際枠組(令和元年9月5日)」でも「締約国数:197か国・機関」とあります。
ということで、197か国、世界中のほとんどの国が締約国となっている、と考えてほぼ間違いないかと思います。
また締約国には種類があり、附属書I国、附属書II国、発展途上国に分類されています。
Wikipedia(2019年12月12日時点)では、国の数が以下のように掲載されています。
附属書I国(40か国と欧州連合)=温室効果ガス削減目標に言及のある国(先進国及び市場経済移行国)。
附属書II国(23か国と欧州連合)=非附属書I国による条約上の義務履行のため資金協力を行う義務のある国(先進国)。
非附属書I国=温室効果ガス削減目標に言及のない途上国。
つまり、附属書II国のほうが数が少なく、先進国に限定されていて、資金協力を行う義務がある国ということですね。
附属書I国には、市場経済移行国も含まれていて、温室効果ガス削減目標に言及している、つまり対策に前向きな姿勢が見られる国、ということでしょうか。
COPには、これら締約国が参加しているということですが、ではどれぐらいの頻度でしょうか。
有名な京都議定書が行われたのは3回目のCOP3で、今話題になっているパリ協定はCOP21です。
COP開催の頻度
COP1が開催されたのが、1995年で、今年2019年にCOP25ですので、毎年1回という頻度になっています。
第1回締約国会議(COP1) 1995年3月28日 - 4月7日 ドイツ ベルリン
第2回締約国会議(COP2) 1996年7月8日 - 19日 スイス ジュネーヴ
第3回締約国会議(COP3) 1997年12月1日 - 10日 日本 京都
第4回締約国会議(COP4) 1998年11月2日 - 13日 アルゼンチン ブエノスアイレス
第5回締約国会議(COP5) 1999年10月25日 - 11月5日 ドイツ ボン
第6回締約国会議(COP6) 2000年11月13日 - 24日 オランダ ハーグ
第7回締約国会議(COP7) 2001年10月29日 - 11月10日 モロッコ マラケシュ
第8回締約国会議(COP8) 2002年10月23日 - 11月1日 インド ニューデリー
第9回締約国会議(COP9) 2003年12月1日 - 12日 イタリア ミラノ
第10回締約国会議(COP10)2004年12月6日 - 17日 アルゼンチン ブエノスアイレス
第11回締約国会議(COP11)2005年11月28日 - 12月9日 カナダ モントリオール
第12回締約国会議(COP12)2006年11月6日 - 17日 ケニア ナイロビ
第13回締約国会議(COP13)2007年12月3日 - 14日 インドネシア バリ
第14回締約国会議(COP14)2008年12月1日 - 12日 ポーランド ポズナニ
第15回締約国会議(COP15)2009年12月7日 - 18日 デンマーク コペンハーゲン
第16回締約国会議(COP16)2010年11月29日 - 12月10日 メキシコ カンクン
第17回締約国会議(COP17)2011年11月28日 - 12月9日 南アフリカ共和国 ダーバン
第18回締約国会議(COP18)2012年11月26日 - 12月7日 カタール ドーハ
第19回締約国会議(COP19)2013年11月11日 - 22日 ポーランド ワルシャワ
第20回締約国会議(COP20)2014年12月1日 - 12日 ペルー リマ
第21回締約国会議(COP21)2015年11月30日 - 12月11日 フランス パリ
第22回締約国会議(COP22)2016年11月7日 - 18日 モロッコ マラケシュ
第23回締約国会議(COP23)2017年11月6日 - 17日 ドイツ ボン
第24回締約国会議(COP24)2018年12月2日 - 15日 ポーランド カトヴィツェ
第25回締約国会議(COP25)2019年12月 スペイン マドリード(当初予定はチリ サンティアゴ)
どんな人がどれくらい参加している?
地球規模で対策を考える会議ですので、各国の首相や大臣なども参加する会議です。
例えばCOP21(パリ)の時には、参加登録者数は36,276人。
内訳は、
政府関係者:23,161名
国連関係者:638名
専門機関等:453名
国際機関:1,226名
NGO:7,094名
メディア:3,704名
とのこと(全国地球温暖化防止活動推進センター)で、政治家から環境保護団体(NGO)まで、幅広い関係者が参加する国際的な会議です。
会議だけなの?
「会議」と言いつつ、毎年2週間ほどの期間をかけて行われる大きなイベントですので、各国がブースを設けて自国の活動を紹介したりもしています。
日本の場合、環境省がジャパンパビリオンとして紹介しています。
今年2019年のCOP25ではどんなことが行われた?決まった?
<2019年12月12日時点>
開催中ですので、いろいろ情報が出てきたら概要をまとめたいと思います。
それにしても・・・なんともやりきれないことが12月12日放送のフジテレビ特ダネ!を見ていて思いました。
COP25特集が冒頭に放送されていたのですが、途中速報で「梅宮辰夫さんの訃報」がテロップに流れました。
その直後にCOP25の特集が中断され、残りの放送時間のほとんどが梅宮辰夫さんのご病気の情報、これまでの経緯などが紹介されて番組が終わりました。
もちろん、梅宮辰夫さんは偉大な方ですし、昭和のスターが亡くなったことは大きなニュースで話題性のあるものですが、これからの未来を考えるCOP25の特集を途中でストップし、ずっと梅宮さんの紹介、関係者の思い出話に終始したことには、民放として国民の興味を惹く話題を提供しなければならない立場があるにせよ、やりきれない憤りを感じました。
ちょうどこれからの日本を引っ張っていく立場にある、古市 憲寿(ふるいち のりとし)さんと三浦 瑠麗(みうら るり)さんが出演されていたのですが、今回の内容変更に対してどう思っていたのか、本音をどこかで知りたいところです。