2019年4月1日、新元号「令和(れいわ)」が発表されました。5月1日から元号が平成から令和に変わります。
令和は「大化の改新」の大化から数えて248番目の元号になるとのこと。
出典は万葉集。これまでの元号は中国の古典から選ばれていたのに対して、今回初めて日本の古典、国書と言われる万葉集から選ばれたことには大きな意味があると思います。
典拠は万葉集
典拠になったのは、万葉集にある「梅花(うめのはな)の歌三十二首」の序文で「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」という中から「令和」が選ばれたということです。
初春とは
初春とは、普通お正月のように思いますが、旧暦の1月のことも指すようです。新暦では1月下旬から3月上旬ごろに当たるとのことですので、まさに梅の咲く季節ですね。
令月とは
令月とは、何事をするのにもよい月という意味です。
気淑くとは
気(き)淑(よ)くですが、文字を逆にした淑気とは「新春のめでたく和やかな雰囲気」とのことです。
鏡前の粉とは
鏡前の粉とは、美人が鏡の前で化粧する白粉(おしろい)ということで、そんな化粧をしたかのように花が開いて(披き)いる、という意味でしょうか。
珮後の香とは
珮後の香とは、珮(はい)という昔の装飾品を身につける人がつけるお香のことです。蘭がこのような香りを薫(かお)らしているという意味ですね。
まとめて訳してみると
以上をまとめて、勝手に意訳してみますと、
時は梅の花咲く新春、何事をするにもよいこの月の、めでたく和やかな雰囲気の中で、風は和やかに感じられます。梅は化粧した美女のように花開き、蘭はそんな美女がつけるお香のようなよい香りを薫(かお)らせています。
といった感じでしょうか。
美女は余計かもしれませんが(笑)、三国志の「桃園の誓い」のこともあり、貂蝉の姿がなんとなく浮かびました。
梅は中国由来というか、中国でも重要な花ですので、初の国書を典拠としつつも、中国にも敬意を払うという、とてもバランスのよい元号だと思います。
補足:西暦への変換
また、西暦に変換するには、レイワを018として、18を足せばよいですね。