芸術

トロンボーンを飛行機にどうやって乗せて運ぶのがいいか(日本国内)

今回、東京から札幌に飛行機で移動するときにトロンボーンも持ち運ぶことになりました。
そこで、日本国内を想定して、航空会社によってトロンボーンの持ち運び方の注意点を少し調べ、まとめておこうと思います。

ケースとしては2つあると思っていて、
・機内持ち込み:機内持ち込み手荷物として、ずっと自分で持ち運ぶケース
・カウンター預け:チェックインの時に、カウンターで荷物を預けて到着後受け取るケース
です。

その他にケースの種類(ソフトケース・セミハードケース・ハードケース)に3パターンほどありますが、ここではセミハードケースとします。

うちのセミハードケースです。
テナーを入れていますが、テナーバスも入ります。

トロンボーンケースなので、それなりに大きさはあり、
 長さ98cm、幅31cm 高さ33cm、3辺合計162cm
です。これらの数字もネックになってきます。

また、賛否両論あると思いますが、セミハードケースをカウンターに預けることも想定します。
 ・日本国内なら(きっと)ひどい扱いはされないだろうという楽観的な想定です。
 ・つまり、プロなら絶対しないようなことも選択肢に入れて考えてみます。

当然ですが優先度は「預けるより機内持ち込み」です。そして「有料より無料」を目指して、調べてみました。

ANAの場合

ANAでは、「手荷物について(お預けのお手続きや機内持ち込み、検査について)(国内線)」というページで国内線の手荷物のルールが説明されています。
ここから調べたり、電話で確認して、以下の3つの案を考えました。

ANA案1:普通に預ける(楽器であることを伝えて)

一番シンプルな方法です。普通のスーツケース同様にカウンターで預ける方法です。
この場合、楽器であることを伝えれば、目印をつけてくれてそれなりの対応をしてもらえるとのこと。
ただし「ハードケースなら預かっています」というのが電話での回答でした。
私の場合セミハードケース・・・となると、硬さもいろいろなので電話口の方が回答できるはずがありません。カウンターで目で見て、乗せられるかどうか空港係員の判断になるとのことです。

ここがリスクを取るか否かの判断が必要になりますが、
 ・「楽器(もしくは取り扱い注意)」という旨の目印をつけてくれ、ある程度丁寧に扱ってもらえる。
 ・ANAは日本の航空会社である。
 ・セミハードケースをしみじみ触った感じ、ある程度ぶつかったり、自分が乗る(60~70kg)くらいなら問題ない。
などから、リスクを受け入れてカウンターに預けるというのも1つの選択肢になります。

これなら、楽器の重量も5kg程度なので、ANAなら追加料金は基本的にかかりません。

ANA案2:コントラバスケースに入れる

調べていると、Q&Aに

【国内線】コントラバスなどの大型楽器を預けることはできますか。
はい、お預けいただけます。楽器と一緒のご旅行をご検討の場合は、「手荷物について[国内線・楽器]」をご覧ください。

とあり、楽器の受託用ケースの貸し出しもしているそうです。

楽器の受託用ケースの種類は、
 ギター受託用ケース  長さ:132cm 幅:40cm 高さ:17cm (内寸)
 小型楽器受託用ケース 長さ:90cm 幅:40cm 高さ:27cm (内寸)
 コントラバス用ケース 長さ:206/196cm 幅:74/64cm 高さ:48cm(内寸)
の3種類。

トロンボーンの場合、ベル部分の大きさのせいでギター受託用ケースは無理・・・コントラバス用ケースだけは入ります。
ということで、コントラバス用ケースをトロンボーンのために使わせてもらえるのか、電話して聞いてみました。

結論、コントラバス用のケースはトロンボーンでも利用できます。
フライト予約後にANAへ電話して、コントラバスケース貸し出し希望の旨を伝えることで準備をしてもらえます。
ちょっと大げさなことにはなりそうですが、事前に依頼できるし、しっかりしたケースになるのでこれならプロ含めて安心ですね。

しかし落とし穴が・・・重さに応じた料金追加が発生します。
コントラバス用のケースは45kgあり、トロンボーンが5kgと仮定すると合わせて50kg。
通常ANAでは1人あたり20kgまでは無料なので・・・これだけで30kgオーバーしてしまいます。
重量超過手荷物料金表によると、超過重量30kgまでは4,500円、以降10kg毎に+1,000円です。
スーツケースなど含めると5,500円は覚悟しなければなりません。

ANA案3:楽器用の座席を確保する

これが最終的に安心できるプランです。
大人1人分の座席料金がかかるのかと思ったのですが「特別旅客料金」という抑えめの価格で1座席確保できることが分かりました。

価格は通常11,500円。この料金を高いとみるか安いとみるかは人によります。
プロは間違いなくこれを選択すると思います。

ANAの3案まとめ

まとめると以下になります。

コスト安心感
ANA案1:普通に預ける 0円 ★★★
ANA案2:コントラバスケースに入れる5,500円★★★★
ANA案3:楽器用の座席を確保する11,500円★★★★★

「安心感」はあくまで(ANA国内線であることを考慮しての)個人的な意見です。
国内線でANAに乗るなら、無料のANA案1に私はチャレンジします。

ジェットスターの場合

もう1つ、個人的に利用する可能性のあるジェットスターでも調べてみます。
ジェットスターの場合は「楽器の機内持ち込みについて」というページで説明がありました。

ジェットスター案1:普通に預ける

ANA案1と同様に、カウンターで預けることができるとのことです。
ただし電話で聞いた限りでは、ANAと違って「楽器だからという特別扱いはしてくれない」とのことでした。

料金については、受託手荷物としてLCCならではの7kg、10kg、15kgなどの細かい料金設定がありますので、ここでは触れませんが、5kg分ほどの重量料金がかかることになります。

普通に預けたときに、どのような扱いになってしまうのか、内部事情を知らないので想像できません。。。ちょっと怖いです。
でも、日本人が扱うし、見た目が楽器だと分かれば、それなりのやさしい気持ちで包み込んでくれるかも、という期待をしてもよいかもしれません。。。ちょっと怖いです。

ジェットスター案2:楽器用の座席を確保する

こちらが現実的な案になりそうです。楽器用の座席を購入することになります。
ただし、楽器の大きさによって「1機当たりの積載可能数」があることに注意が必要です。
トロンボーン(私のセミハードケースの場合、長さ98cm、幅31cm 高さ33cm)は「特大サイズの楽器」扱いになってしまいますが、
 1機あたり1個
しか載せられないことになっています。

以下が、楽器の大きさの区分ですが、小型は無制限、大型は2個、特大は1個しか、1機あたりに積み込めないと電話でも念を押されました。
 ・小型楽器、最大7kg、最大寸法(高さ×幅×奥行) 85 × 36 × 23cm
 ・大型楽器、最大15kg、最大寸法(高さ×幅×奥行) 120 × 45 × 20cm
 ・特大サイズの楽器、最大15kg、最大寸法(高さ×幅×奥行) 140 × 45 × 50cm

「特大サイズの楽器はこの席だけOK」という座席があるのだそうです。
したがってトロンボーン用の座席を確保する時は、Webで勝手に2座席予約するのではなく、電話で「特大専用席」がまだ空いていることをしてから予約してください、との電話回答でした(おそらくライブチャットでも空きの確認は可能)。

そして大事なのは料金です。
ANAの場合は特別料金11,500円とのことでしたが、ジェットスターはLCCなので座席料金がどんどん変動します。その時点に応じた座席料金がかかるという理解で大丈夫です。そして空港利用料(660円程度)は、楽器用座席には掛からないとのことでした。
(ちなみに私の場合、狙っていたある便が残り1席だけ8,760円だったのですが、次の楽器用の座席になると10,600円になると電話で確認してもらいました。こうやって電話で確認しながら楽器用の座席の料金確認、座席予約を進めることになります。)

ジェットスターの2案まとめ

ということで、ジェットスターの2案をまとめると

コスト安心感
ジェットスター案1:普通に預ける5kg分、1000円程度?★★
ジェットスター案2:楽器用の座席を確保する座席時価、39円~10,000円?★★★★★

というのが私の個人的な評価です。海外であれば、ジェットスター案1は★1つですが日本という理由だけで★2つとしました。

2社のまとめ

以上、ANAとジェットスターの2社だけですが、それなりにLCCかどうかで違いがありました(普通に預けるときの楽器の扱い方について)。
もう一度表にして比べてみます。

コスト安心感
ANA案1:普通に預ける0円 ★★★
ANA案2:コントラバスケースに入れる5,500円★★★★
ANA案3:楽器用の座席を確保する11,500円★★★★★
ジェットスター案1:普通に預ける5kg分、1000円程度?★★
ジェットスター案2:楽器用の座席を確保する座席時価、39円~10,000円?★★★★★

プロの方、高価な楽器を扱うリッチな方はANA案3もしくはジェットスター案2の「楽器用の座席を確保する」が基本です。
私はコスト削減(ケチ)が優先なので(またテナートロンボーンというのもありますが)、ANAに普通に預けることも考えようと思います。

ちなみに、海外で被害にあったケース

以前友人のツイッターかフェイスブックで、海外での飛行機輸送でぐしゃぐしゃになったトロンボーンの写真を見たことがあります。
検索すると、以下の事例が見つかりました、米ユナイテッド航空ですね。
 「原型をとどめていない!」飛行機で荷物を預けた結果?
 管楽器を海外へ持ち出す際の注意点・対策
海外は・・・ほんとに怖いです。スーツケースも楽器ケースもがんがん放り投げられると思って対策が必要になる世界・・・私は持ち出しません。

実際に試した結果

ということで、今回私は2020年3月に東京と札幌を往復する際、ANA案1を採用することにしました。
もし知人から危険情報などがあればプラン変更するかもしれませんが、普通にANAに預けてみて結果を見たいと思います。
(おそらく2020年3月か4月に更新すると思います。)

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