海外ビジネス

ユニクロのファッション革命

 2019年4月9日(火)のガイアの夜明けでは、「あなたにファッション革命⑤独占!ユニクロ革命の真実」というユニクロの特集がされました。

成長著しいユニクロの売上高は業界第3位

 ユニクロはこの数年も成長が続き、ついに世界でのアパレルブランドで売上第3位の位置まで昇りつめてきています。

 以下はファーストリテイリングのWebサイト(2018年11月21日時点) からの抜粋ですが、世界の主なアパレル業界上位5社の比較です。

(出所:ファーストリテイリングWebサイトより抜粋、編集)

ファーストリテイリング2018年8月期決算

 2018年8月期の決算では、ファーストリテイリングの売上高が2.13兆円となり、業界2位のH&Mの2.43兆円にせまっています。注目すべきは、その成長率でH&Mは前期比+4.0%であるのに対し、ファーストリテイリングは+14.4%という成長率で、勢いを感じます。

特に海外ユニクロ事業、国内ユニクロ事業の増益が貢献

 決算ハイライトによると、海外ユニクロ事業の売上は8,963億円、前期比26.6%増。また営業利益は1,188億円、前期比62.6%増と増収増益を達成し、売上については初めて国内ユニクロ事業を超えています。
 すべての地域で大幅な増益を達成し、グレーターチャイナや東南アジア・オセアニア地区の高成長が目立っています。

 国内ユニクロ事業についても、売上8,674億円、前期比6.7%増。また営業利益は1,190億円、前期比24.1%増と、海外ユニクロ事業ほどではないにしろ、増収増益を達成しています。

 なお、海外ユニクロは各国への展開も進んでおり、以下オープンしています。
 ・2017年9月:スペイン(バルセロナ)
 ・2018年8月:スウェーデン(ストックホルム)
 ・2018年9月:オランダ(アムステルダム)

ガイアの夜明けでの放送内容

 番組の中では、大ヒットしているワイヤレスブラの新商品の開発と、ジーンズの新しい製造手法について、取り上げられていました。

 まずは「ワイヤレスブラ」について、ユニクロでは胸を支える金属を無くしたことで大ヒットし、ユニクロの看板商品になっているとのこと。
 それでも利用者からの口コミを迅速に取り込み、改良に繋げているようです。
 特に紹介されていたのは山口本社のコールセンターの対応についてでした。これまでは、クレームに対応することが主なコールセンターの機能でしたが、今のユニクロのコールセンターでは、問い合わせに対して「改善を加えるとしたら、どのようなものがよいでしょうか?」といったところまでコールセンターの方が深掘りして、ただのクレーム対応ではなく新しいアイデアに繋がる情報を集める場所として機能しています。

 新商品では、独自に開発した特殊な「新構造カップ」が使われていて、カップの部分がバストに合わせて伸縮し、それぞれのバストにフィットするように改良されたとのこと。
 しかし、ユーザーからの評価は「3.3」(以前は4.4だったが、低下してしまった)となったこともあり、店舗からの現場の声を集めることに。その結果「サイズがアバウト」というコメントに反応し、サイズの種類が少なくなったことで「購入しづらい」という結果に繋がっていることを突き止め、店舗でのバスト採寸を行い、顧客とのサイズ面でのコミュニケーションを増やすように店舗スタッフの業務を変えていました。
 さらに「アンダーバストがきつい」という声に対して、すぐに対策を打ち、アンダーバストを1.5cm変えるという行動にすぐ着手していました。

 簡単なことではないと思いますが、利用者の反応をすぐに店舗のサービスに反映させたり、商品設計に反映させたりすることができるのがユニクロの強みなのだと思います。

 次に紹介されたのはジーンズについての事例でした。
 バングラディシュのジーンズ工場では、ダメージ加工を施すために、手作業でヤスリをかけ、最後の「洗い」という工程で大量の水を使うとのこと。さらに薬品をスプレーして色落ちさせるため、人や環境への負荷が問題になっているそうです。
 ジーンズを1本作るために平均50リットルの水を使うとのことで、この課題に対してユニクロでは環境に負荷をかけないジーンズづくりを行なっているようです。

 紹介されたのはロサンゼルスにあるユニクロのジーンズイノベーションセンターで、レーザーで焼くことで履き古したような風合いを実現し、また「洗い」という工程では水を霧状にスプレーして、水の使用料を大幅に削減しているようでうです。
 バングラデシュの工場では、実に90%以上の水を削減しているそうです。

 柳井会長兼社長は「世界一を目指さないと」「オリンピックに出る人は銅メダルを目指します、とは言わない。金メダルを獲る」と言っていました。

 利用者の声を商品開発に迅速に反映したり、新しい技術をどんどん取り込んで環境負荷だけではなく本当にいいものを作っていく取り組みをこれからも続けることで、日本企業としてアパレル業界での金メダルを獲っていただきたいと思います。

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