私の祖母は大正生まれの95歳なのですが、ここ数年会うたびに「この頃よくITって聞くけど、なんなんかねぇ?」と聞かれ、いつも説明に困ります。
何回か説明した結果を振り返りながら、シンプルに短く説明する内容を考えてみました。
説明1.まじめに翻訳しても、あまり意味がない
まずは、言葉の意味から説明しましたが、これだけでは足りません。
インフォメーション、テクノロジー・・・
「情報技術」ねぇ
・・・
なんでもかんでもITっていうもんねぇ
となってしまい、訳しただけではまったく回答にはなりません。
そこで、経済に絡めていきます。
説明2.情報を石油に例えてみる
石油って、掘って出てきて、
お金になるじゃない?
ガソリンとか灯油とか、
いろんな石油製品があるよね?
(ちょっとした興味付けになった)
「もち吉のおかき」好きじゃない?
この、「ばあちゃんはもち吉のおかきが好き」
っていうのは、情報なんだよね。
この情報を知ってたら、
ばあちゃんに売り込みに行けるじゃない?
だから、もち吉の人にとっては、
「ばあちゃんは、おかきが好き」
っていうのは、価値がある情報なわけよ
例えばもち吉の人に伝える技術が、ITなのよ
だいぶ掴めた気がしますが、トレンドを追いすぎたやりとりだったかもしれません。
というよりイメージが湧きづらい例え話でした。
もう少し、祖母の現実に合わせて、想像しやすい例えが必要でした。
そこで医療関連で例えてみました。
説明3.電子カルテでの情報共有で例えてみる
でも、U松先生のとこ行って治んないから、
次に、T木先生のとこに行ったりしたけど、
同じこと、何回も話さないとだめでしょ?
最初から話さにゃならんのが、難儀よー。
(つかみはOK)
これを、先生がパソコンにカタカタ打ち込んでやれば、
他の先生も、同じ内容を見れるようにもなってるのよ
電子カルテっていうんだけどね
北欧よ、スウェーデンとかフィンランドとか、
あっちのヨーロッパのほうだと、
進んでるんよね。
あっちのほうだと、
例えば、ばあちゃんが、
今どんな薬を飲んでる、とか、
股関節の手術をいつやった、とか
そういうのが、お医者さん同士で
共有できる仕組みになってるのよ
ばあちゃんの病気の情報を、
お医者さんが共有してる。
これはITよ。
まあ、必要な情報を
必要な人に伝える
っていうことができる技術を
ITって言うんじゃないかなぁ?
なんとなく、分かる?
これは、かなり伝わった気がします。
自分の生活に関係のある話題、困っている話題を使って、「情報を共有するための技術」という言い方にしたらうまくいきました。
これに「個人情報」とか「情報漏洩」など、祖母もニュースで耳にしているような言葉を絡めれば、日本での電子カルテ普及の問題点なども話せるかもしれません。
まとめ
おそらく、95歳の祖母にITをなんとなくでも理解してもらおうと思えば、
現実でイメージしやすいものを例えに出すことと、情報技術を「情報を共有するための技術」ぐらいの簡潔さで伝えるのがよさそうです。
いわゆるICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)について説明することになります。
10数年前に政府レベルでITからICTに呼び方を変え(ようとし)た経緯もあり、ITだけでは本来ハードウェア、ソフトウェア、インフラといった話になってしまいなりそうですが、現在はITと言ってもICTのことを指しているのが事実だと思います。
現在はそれ以上に「情報を共有し活用するための技術」というところまでを口に出して説明したほうがよいかもしれませんが、「情報を共有するための技術」というシンプルな言い方が、高齢者には伝わりやすい気がしました。
今後「インターネット」や「IoT」も、聞かれそうなので、答えを用意しておこうと思います・・・