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宇和島の鯛めしを語る

私は宇和島出身なのですが、鯛めしについて地元民としての情報を提供しておきます。

ここ数年、観光情報がウェブ上で広がりやすくなったこともあり、宇和島の鯛めしが全国でも知られるようになりました。

そんな中で、六本木のランチにも「宇和島鯛めし」とあったので注文すると、自分の知っている鯛めしとは全く別の料理だったので、これはいけんなと思ったんです。

松山での鯛めしと宇和島の鯛めしの違い

最近(2020年11月)、松山・道後温泉にいったのですが、この付近の飲食店では鯛めしが食べられました。

以下は道後温泉(観光地)の商店街でランチを探すなかでいくつか見かけた鯛めしの店頭写真です。

これらのポイントは、見た目重視なのか、ご飯の上に刺身を乗せた状態で提供し、食べるときにお客さんがタレ(つゆ?)をかけるというスタイルが共通しているということです。

(しかし、後述しますが、1時間ほど漬けるほうが美味しいと思うのです)

また、鯛めしにも大きく2種類あって、鯛の身を炊き込んで作る松山鯛めしと、生の刺身で食べる宇和島鯛めしがあります。

松山版を中予鯛めし、宇和島版を南予鯛めし、と表現することもあるようです。

以下、私が情報共有するのは、宇和島の鯛めしです。

情報源はうちのばあちゃん

宇和島の鯛めしについての情報はうちの祖母です。大正13年生まれ、2020年時点で96歳のうちの婆ちゃんが50,60歳の頃に作ってくれていたものを私も食べていました。

祖母は戦後愛媛に戻り、八幡浜、宇和、宇和島と暮らし、南予の南宇和郡樽見地区で漁協関係者とも近い間柄で生活していたこともあったそうです。

そんな祖母が、昭和50,60年代によく作ってくれた鯛めしのレシピを、改めて祖母に聞いてみました。

伊予水軍が明浜(あけはま)のほうを通るときに、火を焚くと敵に見つかるので、火を使わずに食べるものを考えた、とのことでした。

ばあちゃんの鯛めしレシピ

  • 湯冷まし(水)
  • しょうゆ
  • みりん
  • 砂糖少し
  • ゴマ
  • 鯛(もしくはアジ)の切り身

これらを混ぜて1時間ほどつける。これがうちの祖母のレシピです。

水ではなく「湯冷まし」とのことですが、昔は水がカルキ臭かったり衛生面で心配だったから、一度ヤカンで沸かして冷えたものを使ったのだと思います。

食べるときは熱々のご飯にかけて、もみのりをかけて完成。

鯛の切り身のかわりにアジの切り身を使うことのほうが多く、これを日向めしと呼んでいました。私は鯛めしより日向めしのほうが好きでした。

(日向とは昔の宮崎県のこと。愛媛の南予地域とは海を隔ててお向かいさんです)

ポイントは漬けておくことか?

多くの飲食店の宇和島鯛めしが、

  • ご飯の上に鯛の刺身と卵の黄身を乗せて出され、あとからしょうゆだれをかけて食べる

というスタイルになっています。この方がインスタ映えしますね。

ですが、これでは鯛の刺身に味が染み込まない状態で食べることになります。

美味しく食べようとおもったら、1時間ほどつけるのがよいかと思います。

そしてお店のタレはトロッとしている店もあるようですが、うちのばあちゃんの鯛めしはサラサラです。熱々のご飯に冷たいサラサラをぶっかけ、お茶漬けのように掻きこんで食べていた記憶があります。

タイミングよくファミマに鯛めしが!

ちょうど偶然同じタイミングで、ファミリーマートに鯛めしのおにぎりがありました。

ごちむすび「鯛めし」

ココロまじわうトコロ

というキャッチコピーが素敵です。「うわじま」を逆に読むと「まじわう」なんですね。

しかし、このおにぎり自体は既に上で解説したように松山側(中予風)の鯛めしです。

ちょっとこのパッケージでは、宇和島の鯛めしがこれだと誤解されてしまいそうではありますが、、、これはこれで美味しいおにぎりでした(^o^)

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