ユニクロやジーユーを展開する(株)ファーストリテイリングが、プラスチック製のレジ袋を撤廃し、紙バッグに切り替えていくという方針を、2019年7月3日に公式Webサイトで発表しました。
株式会社ファーストリテイリングはこのたび、地球環境に配慮した持続可能な事業構築に向けた取り組みの一環として、使い捨てプラスチックの使用削減に関するグループ方針を策定しました。これに基づき、2020年中を目処に全世界のファーストリテイリンググループ全体で、店頭でお客様の手に渡る使い捨てプラスチックのうち、ショッピングバッグと商品パッケージの85%に当たる約7,800トンの削減を目指します。
(株)ファーストリテイリングWebサイトより
これによると、
- 方針として、SCM全体で不要なプラスチックを原則撤廃し、使うにしても環境配慮型素材に切り替える。
- 2020年中を目途に、顧客向けの使い捨てプラスチック包装を85%削減する。
- 2019年9月1日より、日本でもプラスチック製ショッピングバッグをFSC認証を受けた紙製に順次切り替えていく。
- オリジナルのエコバッグも販売していく。
- 2020年1月14日からは、日本のユニクロやジーユーなどでショッピングバッグを有料化する(1枚1円)。←おそらく紙バッグの有料かと思われます。
- 商品パッケージに使われるプラスチックも紙などの代替素材への切り替えを目指し検証を始める。
といった対策を今後行っていくとのことです。
海洋プラスチック問題への社会的配慮か
もともとファーストリテイリングは、CSRに注力して企業努力を続けてきたので、今回の対応も以前から検討してきたと考えられますが、一方で最近の海洋プラスチック問題に端を発する飲食・小売業界への社会的な注目に配慮して、スピード感を上げて対応しているのかもしれません。
プラスチックバッグと紙バッグ、どっちが環境負荷高いの?
そんな社会的なプラスチックバッシングの流れのなかで、本当にプラスチックより紙のほうがよいのか、科学的に検証できているのでしょうか?
プラスチックストローを鼻から引き抜くウミガメの動画を見て、「これはひどい・・・」と思わない人はほとんどいないと思いますが、これは感情的な話です。
もし、紙バッグに切り替えることで、森林破壊がさらに深刻化するのでは?異常気象がさらに強まるのでは?温暖化がさらに進むのでは?など、別の視点も踏まえて議論がされなければ、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性があるのではないでしょうか?
プラスチックバッグを生分解性のものに切り替えるのは?
海洋プラスチック問題では、生物界で自然分解されないプラスチックが問題だということで、自然界で分解される性質を持つプラスチック(3か月で6割以上が分解される:日本バイオプラスチック協会基準、2年で9割が分解される:ヨーロッパ)を利用していくことは、野生生物への悪影響を避けるという意味では、間違いなく有効ですね。
あとはどれぐらいのエネルギーを余分に使うのか、といった視点でしょうか。
紙バッグで生鮮食料品を運ぶと温暖化が進む?
1.食料品を紙バッグで運ぶと、農産物の鮮度を保てなくなる
2.食品廃棄物が増えてしまう
3.その埋め立てによりメタンガスが発生する
4.温暖化に悪影響を及ぼす
といったことを学者さんが言ったりするケースもあるようです。
紙バッグはプラスチックバッグの4倍温暖化を進める?
つまり、4回以上紙バッグを繰り返し使えば、プラスチックバッグよりはエコになるそうです。
これは、紙を製造するエネルギー量から2011年ごろの段階で言われていたことのようで、2019年現在どのような計算になるかは不明です。
とにかく、ただ紙バッグにすればよいというわけではありません。
やはりマイバッグをとことん使う文化になるのがゴール?
結局、マイバッグ(布製とか、風呂敷とか)を繰り返し何十回も使うようにすれば、紙バッグもプラスチックバッグも使わないので、結果環境負荷は抑えられますね。
そのためにもユニクロでも販売するエコバッグのようなものを、みんなが、常に使うことが重要になりそうですね。
おそらくユニクロのエコバッグは、ユニクロのロゴなど入ってこない、センスの良い、スーパーで持ち歩いても自然なバッグになるのではないでしょうか?
エコバッグで検索してみると・・・やっぱりDEAN&DELUCAのがいいなあ、と思ったりしますが、ユニクロのセンスに期待です。