本日12月16日、たまたま霞ヶ関を訪れたのですが、農林水産省の前を通った際に気になる看板が目に留まりました。
消費者の部屋特別展示
新しいJAS、はじめました
日本の魅力を伝える規格・認証
12月16日(月)~20日(金)12月20日は13時まで
JASと言えば、以前の投稿「丸太の材積計算に用いる末口2乗法について」の 「補足:JAS規格での計算式」のところで計算方法を調べたときに出てきました。
これは、新しいJAS規格が出ているのか?と思い、おそるおそる農林水産省の北別館に入ってみました。
消費者の部屋で、このイベントが。
自動ドアをくぐると、正面に食堂があり、すぐ右に消費者の部屋があります。
ここまでは、省庁の方でなく一般人の私でも入れるようになっていました。
特別展示では、いろいろなJAS商品の展示が。
消費者の部屋に入ると、いろいろなJASについての基本的な説明や、新しいJASができていることや、JAS規格を取得している商品が展示されたりしていました。
今林業に興味があるわたしは、すかさず木材が並んでいるところへ一直線です。
木材の含水率について
まず、目についたのが含水率についての説明です。
実際の含水率計が置いてありました。係の方が、含水率計も使って実際に見せてくださいました。
まずは未乾燥材。含水率は、48.1%と出ました(ほかの場所だと60%ぐらいにもなったりした気がします)
伐り倒したばかりの木は、100%近くになるそうです。5
次に乾燥材。含水率は、6.6%でした。
強度試験の検査
JAS商品での強度試験の検査結果の木も展示されていました。
これは、基準をクリアしたあとも、折れるまで力を加えたものなのだそうです。
脆い木材が市場に出回ると危険ですよね。
「市中でJASマークの付いた商品を買い求めて、試験等を実施しています。」ということで、試験を通ったとしても、抜き打ち検査をしているんですね。そうやって品質チェックをすることで、不正も防げるのだと思います。
CLTの展示
話題のCLTも展示されていました。
CLTとはCross Laminated Timberの略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されています。
一般社団法人 日本CLT協会「CLTとは」より引用
その他にもいろいろな集成材が。
その他にも、いろいろな集成材が展示されていました。
化粧ばり構造用集成柱
例えば下のものは「化粧ばり構造用集成柱」とのことで、
5枚の長方形の板を張り合わせて、正方形の1本の太い柱にし、
さらに表面に木目のきれいな1.2mmの化粧薄板を4面に貼り付けています。
こうすることで、見た目はとてもきれいな1本の柱ができるということですね。
造作用集成材
こちら(下)は造作用集成材ということで、噛み合わせて作ってあります。
単板積層材
最後にこちら(下)は国産カラマツのLVL(ラミネイティッド・ベニア・ランバー、Laminated Veneer Lumbe)、日本語だと単板積層材。
薄い板が積み重なって強度を持つ1枚の板になっています。
ということで、いろいろな木材のJAS製品を見ることができてとても勉強になりました。
今回偶然勉強させていただいた「消費者の部屋」は、農林水産省のウェブサイトにも専用ページがありました。
これを見るに、どうやら毎週テーマが変わって展示も変わっています!ものすごい頻度です。
きっといろいろな関係者の方が関わって、都内のギャラリーのように展示をしているんですね。
今後のスケジュールも紹介されていますので、気になるテーマの時に霞ヶ関に足を運んでみるのもいいですね。
2月にはチョコレートの試飲もできる模様、これは行くしかない!?
補足1:定食屋さん
消費者の部屋のすぐとなりには食堂があり、一般の人も利用することができます。
おススメの定食は、そばが2つ出てくる「2色そばセット」。日替りそばと野菜そばの組み合わせで560円とお得!
補足2:コーヒーマシンで、飲む「木づかい」を。
今回の北別館の入口のところに、コーヒーの販売マシンが置いてあります。
飲む「木づかい」はじめませんか?
この自動販売機の紙コップは、日本の森林の間伐材を活用しているとのことです。
こうやって、いろいろな用途で「間伐材を消費すること」で、間伐材に関する経済が回って、日本の森林の手入れがしやすい状況になっていく。というのは大事なポイントですね。
「アペックスの紙カップは国産の間伐材を使用しています」とのこと。
こういった取り組みが少しずつ広がるとよいなと思いました。