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日本の開業率は低いらしい。開業率ってどうやって計算しているの?

日本の開業率については、中小企業白書などでも「低い」と表現されています。

欧米諸国に比べて、新しく会社を創る(起業する)ような人が日本では少ないといわれています。

そこで、
 日本の開業率はどれくらいなのか、
 欧米では、本当に日本より開業率が高いのか、
 そもそも、開業率ってどういう計算で出てくるのか、
などについて、調べてみました。

1.日本の開業率(中小企業白書より)

中小企業白書の公開場所

中小企業白書から調べました。
最新版は、2019年11月下旬に調べたタイミングでは、
 2019年版「中小企業白書」(2019年4月26日に公表)
が最新です。
 全文(HTML版)(令和元年7月23日)
 全文(PDF版)(令和元年7月25日更新)
のほか、以下の概要版(PDF)もあります。
 2019年版「中小企業白書」「小規模企業白書」概要

日本の開業率・廃業率の推移

「第1-5-1図」に開業率だけでなく廃業率と合わせた推移のグラフがありました。1981年から2017年までの推移です。

引用: 2019年版「中小企業白書」より
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/2019/index.html

 これをみると、1988年の7.4%がピークで、その後どんどん開業率は低下し、1998年には3.9%まで落ち込んでいます。
 その後、ゆるやかに上昇しながら2017年には5.6%まで回復してきているように見えます。

 このグラフには開業率だけではなく、廃業率の推移も出ていますので、合わせてみてみると、1996年に2.5%の低さだったのが、2003年に4.8%まで上がったまま2009年の4.7%まで高い状態が続き、その後2017年の3.5%まで下がってきています。

 1990年台のバブル崩壊で開業率が下がったことや、2000年以降経済が停滞していた様子がなんとなく開業率・廃業率の推移で見て取れますね。

では、この日本の開業率が欧米諸国と比べてどうなのか、次に見てみます。

2.欧米諸国と日本の開業率の比較

同じく中小企業白書の「第1-5-2図」に、日本と米国・英国・ドイツ・フランスの開業率・廃業率の推移を比較したグラフが掲載されています。

引用: 2019年版「中小企業白書」より
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/2019/index.html

・・・確かに、これを見ると日本の開業率は欧米先進国の半分、3分の1といったボリュームでずっと推移しています。

英国(イギリス)は、常に日本の倍以上の開業率です。
フランスは、2009年に急に開業率が伸びていますが、これは個人事業主の開業について新制度が導入されたからで、「開業の容易さ」「税・社会保障費の優遇」などがあったからのようです。

一方で廃業率も欧米は高い?

開業率が高い一方で、廃業率も欧米諸国は高いように見えます。

そこで、中小企業白書のサイトでダウンロードできるExcel形式のデータを使って、「開業率-廃業率」を出してみました。

データ元:2019年中小企業白書の「第1-5-2図」開廃業率の国際比較のExcelデータを使って、開業率から廃業率を引いたもの。

これを見ると、ドイツは廃業率の方が上回って見えますが、英国やフランスは開業率の方が上回っているようです。つまり、毎年多くの企業が生まれては消えて行くけれども、優良な企業が残りつつ、少しずつ企業の数が増えているということだと思います。

企業の数が多い方がよいのか、はたまた少ない方がいいのか、という議論が別にあります。大企業に集約していくべきだ、と行った考え方です。

ただ、多くの企業が誕生と衰退を繰り返すなかで、業績のよい企業が残っていく、つまり新陳代謝のよい状態の方が、健全な経済状況だとわたしは思います。

特に日本の中小企業については、廃業をなるべく減らすためにどんどん補助金などを投入しているとの議論もあります。それを受けて「本当に立ち直ろうと頑張っている企業だけに補助金などを使ってもらう」ための工夫・努力が少しずつ続けられているようです。そういった対策がうまく回って、日本の中小企業がどんどん活性化していくといいですね。

開業率が高ければいいのか、などの話は、また時間をとって調査し、考えてみたいと思います。

3.開業率の計算はどうやっているの?

最後に、どうやって開業率を計算しているのか、気になったので確認しました。

想像では、「開業します!」と開業届を提出した企業や、「・・・廃業します」と会社をたたんだ企業の数を使って計算していると思ったのですが、日本の場合は違うようです。

日本の開業率の求め方(中小企業白書より)

以下、説明があります。

雇用保険事業年報をもとにした開廃業率は、事業所における雇用関係の成立、消滅をそれぞれ開廃業とみなしている。そのため、企業単位での開廃業を確認できない、雇用者が存在しない、例えば事業主1人での開業の実態は把握できないという特徴があるものの、毎年実施されており、「日本再興戦略2016」(2016年6月2日閣議決定)でも、開廃業率のKPIとして用いられているため、本分析では当該指標を用いる。

ということで、雇用保険が適用されるような事業所の数を使っているとのことでした。

計算式ですが、開業率で見てみると、
 当該年度に雇用関係が新規に成立した事業所数/前年度末の適用事業所数
ということです。


1企業が複数の事業所をもつ場合もありますし、雇用保険を使わないような個人事業主は含まれていないという事が分かりました。

国際比較で使われた各国の開業率

中小企業白書のなかで比較に使われた各国の開廃業率は、以下のように算出しているとのことです。

(注)

1.日本の開廃業率は、保険関係が成立している事業所(適用事業所)の成立・消滅をもとに算出している。
2.米国の開廃業率は、雇用主(employer)の発生・消滅をもとに算出している。
3.英国の開廃業率は、VAT(付加価値税)及びPAYE(源泉所得税)登録企業数をもとに算出している。
4.ドイツの開廃業率は、開業・廃業届を提出した企業数をもとに算出している。
5.フランスの開業率は、企業・事業所目録(SIRENRE)へのデータベースに登録・抹消された起業数をもとに算出している。
6.国によって統計の性質が異なるため、単純に比較することはできない

引用: 2019年版「中小企業白書」より
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/2019/index.html

ということで、日本の場合は個人事業主が含まれていない一方でフランスでは個人事業主も含まれているなどありますので、確かに単純に比較することはできないという事が分かりました。

いろいろ調べてみて、結局各国で比較できないと分かりました・・・が、なんとなく日本の開業の現状を欧米諸国との比較もしながら

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